子連れ狼



子連れ狼/刺客道 橋幸夫*若草児童合唱団 
ビクター SV-2219
作詞;小池一雄 作曲;吉田正

 「子連れ狼」といえば、まず浮かんでくるのはこの曲。入手もさほど難しくない。
 テレビドラマのテーマ曲で使用されていた。
 哀愁味あふれる、しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん し〜と〜ぴっちゃんの児童合唱のフレーズは、コロムビアゆりかご会によるものだ。刺客の任に出たまま何日も帰らない父を待つ子の視点で、物悲しさを表している。
 これが2番になると
 ひょうひょうしゅるる ひょうしゅるる ひょ〜う〜しゅるる(風の音)
 3番にいたっては
 ぱきぱきぴきんこ ぱきぴんこ ぱ〜き〜ぴんこ(霜を踏む音)
となる。さすがにここまで知る人は少ない。

 B面の「刺客道」は凄まじい曲。天に冥府、地に魔道、踏まえし道が刺客道。血しぶく親子に刺客のさだめ。
 人の道を外れ、親子で刺客の運命をつらぬく悲しい決意が歌われる。
 歌の合間にキメぜりふ「刺客 子連れ狼 参上!」と共に刀をひゅんひゅん振る音がする。その時刀が打ち合う音やサクサクと肉を斬る音、斬られた者のうめき声もリアルで生々しい。
 さすが子連れ狼の世界を凄惨に表現しているが、この場合の橋幸夫の歌声がさわやかすぎて、世界の重さと釣り合わないのが惜しまれる点である。



三途の川の乳母車/大五郎子守唄 橋幸夫みすず児童合唱団
 ビクター SV-2292 (1972)
作詞;小池一雄 作曲;吉田正

 がらごろ鳴る乳母車の音と、いちじく、にんじん、さんしょ、しいたけ、ごぼう、むすび、ななくさ、やつめ、きゅうりをまじえて数え唄になっている。大五郎が無邪気に歌っている様子を描写した親子の旅の唄である。しかしその旅は地獄旅、刺客旅、修羅の旅なのである。



ててご橋/おねやれ大五郎 バーブ佐竹 
コロムビア SAS-1674 (1973)
作詞;小池一雄 作曲;渡辺岳夫
 

テレビドラマ「子連れ狼」の後期のテーマ曲。入手はやや難しい。
サントラCDに収録されているのは半コーラスのみで、正規バージョンはまだCD化されていないと思われる。
ててごとははごと ごとごととのフレーズが印象的である。
唄はバーブ佐竹とコロムビアゆりかご会。シンプルな演奏、バーブ佐竹の低い声が、シリアスさを演出するのに成功していて、見事に「子連れ狼」の世界にマッチしている。
「ててご橋」の詞は原作本編で登場した。したがって作詞は小池一男。
内容はわらべ唄のようだ。
ててごと ははごと ごととごと
五斗と五斗とで 一石じゃ
一石橋で待てばよい
実際にこの唄が子守唄だったという証言もいくつか得られている。

このレコードはジャケットでは背景の柳生烈堂の険しい眼が印象的。迫力満点でありとてもよい。


・・もう1曲!

「子連れ狼」/若山富三郎について

映画「子連れ狼」のテーマ曲は若山富三郎だった。
夜烏が鳴いた 誰かが死ぬんだぜえ
野良犬が吠えた 子連れがやってくるぜえ
と物騒な内容の唄が、乾いた演奏にのっかって流れる。その時の若山の歌いっぷりといったら、それはもう爽やかそうで気分がよさそうである。
この唄のレコードを長年探しつづけているがなかなか見つからない。
現在のところCDに収録されているのは唯一「えっ!あの人がこんな歌を」(1989年)というオムニバス盤だけである。このCDはいくつか興味深い曲が収録されているが、文化的価値を理解していないようなセンスのないデザインをしていて、おかげで中古市場ではレア盤なのに扱いが悪くて見つけ難い。
「えっ!!」あの人がこんな歌を(東芝編)
TOCT-5743(1990)

いかものレコード

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