はじめに


私がいかにしてJAGUARを知ったのか

 1994年、ある友人から変な曲ばかり入ったカセットテープをもらった。みうらじゅんのFM番組でかかっていた曲集だというのである。
 「アホの坂田」「政子ちゃん音頭」「お前にマラリア」などの数々の変な収録曲はみうらのコレクションらしいが、その質、量ともに度肝を抜かれた。こ、こんな世界があったとは(その当時の衝撃が、この「いかものレコード」を作らせているのです)
 その中で、ひときわ私の脳天をヒットしたナンバーが、ジャガーの「だまってジャガーについて来い」であった。そのことについては以下にあるとおり、ジャイアン的ホゲ〜ソングであり、発音が不明瞭でだいぶ聞き取れないが、総じて幼稚な内容で、多いにナゾと興味を抱いたものだ。何を言っているのだろう。なんで作ったのだろう。
 以来数年間、歌詞全容知りたさに「だまってジャガーについて来い」の音源を探し続けたが、さっぱり見つからなかった。

 その間に得られた証言
・「パオパオチャンネル」というテレビ番組に出ていた。
・バブル絶頂時期、ジャガーも絶頂だった。
・豪邸に暮らしジャガーを乗り回すすっごい金持ちらしい。
・自前の録音機材を揃えているらしい。
・会社の社長らしい。
・だいぶオッサンらしい。
・金を出して買うものではないらしい。

 こんな感じで、知れば知るほどいかものな人物ジャガーに対する、純然たる作品評論をしてみたいと、常々思っていた。

 ジャガーの音盤入手は困難をきわめ、具体的な手がかりや証言が得られることなく、時ばかりが経過した。

 1997年、私はホームページを作り始め、自分の些細なくだらない趣味の紹介に対しても、熱い反応をくれる同好の志が必ずいることを体感し、98年暮れには掲示板を設置した。
 そこでもひとしきりJAGUARの話題で盛り上がったことがある。
 以下はそのやりとり。


10年以上前,テレビ朝日系の「パオパオチャンネル」に準レギュラーで出ていたあのすごい出で立ちの,自称中年ロッカー,千葉のジャグァーを御存知でしょうか?(放送時間を買い上げて自分を讃える歌を歌っていたという話も聞いたことがあります.)私は彼の珍曲「黙ってJAGUARについて来い」を聴いて以来,あのすごいボーカルが頭から離れなくなりました.すごいチープなつくりとジャイアンみたいな「ホゲ〜!!」ボーカル,そしてサビの部分はカラオケエコー全開で,しかも何を言っているのか全然分からないあの曲,まさにタマランです.(聞き取れる限りの歌詞の内容も小学生レベルですね.だから気になったりして!) 彼は他にもいくつか曲を作り,自宅にこしらえたスタジオで何枚かのCDを作ったそうですが,(さすが大金持ちですね!)全て廃盤で,手に入れられません.ここで質問なのですが, ジャグァーのCD,未だに入手可能なんでしょうか? ジャグァーはまだ活動?しているんでしょうか? 「黙ってJAGUARについて来い」の歌詞,とくにエコーがひどい部分,どなたか御存知でしょうか!?(小栗一将さん 99.3.07)

ジャガー....。私もその件に関しては、深いナゾをかかえたまま暮らしてきました。検索してみても、クルマのジャガーばかり何万件も出てきて、ろくろく調べられません。唯一有力な情報は、 http://www.sakuranet.or.jp/~man/15o/1510.html で得られます。金髪の長髪で、聖飢魔llのようなメイクをし、ヒョウ柄の格好をした絶叫ロッカー。千葉にいるらしい。「だまってジャガーについて来い」だけテープでありますが、まさしくジャイアンの「ホゲ〜」ソングで、初めて聞いた時耳が点になってしまいました。曲はデスメタル調で、歌にまともな音程がなく、歌詞の内容は小学生的。要所要所に狂気じみたシャウトが入って、詞が不明瞭になります。サビでは安っぽいカラオケのようなエコーがかかり、ワウワウいっているだけで、さっぱり聞き取れません。我が心の師匠みうらじゅんの「フェロモンレコード」というバカレコード紹介本(このページを作るきっかけになりました)に、ジャガーがインタビューされています。それによると、ジャガーは宇宙人で、ジャガー星からジャガー号に乗ってやってきた、とトンチンカンなことを言っています。ジャガー星ではロックは健康の象徴で、地球にデーモンがいるからロンドンキックでやっつけにきたということです。ジャガー号は千葉のどこかに隠してあ るそうです。さっぱりわかりませんね。アルバムはインディーズも含めて7枚出ているようです(1枚も見たことない)。「房総半島」という曲があるというのも大変気になります。アヤシイ。いかもの度数計測不能。スケールアウト!(igex 99.3.08)

ジャガー… 10年以上前に千葉テレビで見ました。確かにじぶんで時間枠を買って番組やってましたよ。「ハ〜イ、ジャガで〜す。こん、ばん、ぅわっ!」ってな感じのしゃべり方が印象的でした。肝心の歌の方はまったく覚えていませんが、彼は確か洋品店の店主(そんなに立派な店ではなかったような)で、衣装はみんな自分でデザインして自分で作っていました。(guzziさん 99.3.09)
「だまってマリスについて来い」
名古屋のレコード店,新星堂のビラにマリスミゼルのインタビューが載っていたのですが,
そのマリスミゼルが,タイトルの通りのコメントをしていました.その後すぐに,これ,
パロッたんですけれど,分かります?と,メンバーの一人が意味有り気に言っていました.
おそるべしマリスミゼル,ただのビジュアルバンドじゃなかったのね!!
(小栗一将さん 99.3.10)
ジャガーの「だまってジャガーについて来い」をギャグのダシに使う者がいたとは....。

それにしても凄い歌ですな(歌か?絶叫か?)。
「だまってジャガーについて来い」がどれほどの歌かという詳しい説明をし忘れたので、ここで説明しましょう。

なにしろ歌い出しが、

♪バカァーーー 気をつけろーーーー
どこを見てやがるう〜う

で、古今東西「バカ」で始まっていちゃもんつけてくる歌はこれっきりでしょう。
内容的には「悪魔」が「うようよ」出てきて「お前」を連れ去ろうとするから「ジャガー」が「パワー」や「テレパシー」で「お前」を守ってやるから「だまってついて来い」といった感じで、小学生未満のレベルです。
こんな内容を、ジャガーはまるで入れ込んだジャイアンのように終始絶叫しており、ところどころ言葉がもつれて聞き取れません。
やたら早弾きのギター、薄っぺらな音のドラム、堅実なベースが、単純なメロディラインを支えます。

ラストが最高(最低)で、「悪魔ども」に「かかってこーい」と挑み、ズ・ズーンと2呼間のあと「やっつけたぜ〜い」で素早く終わってしまいます。

こんなレコード(CD)、中古店で「ありますか」って聞けないよねえ。
(igex 99.3.11)

このようなやりとりがあった後、99年4月に私はジャガーのCDを中古店で幸運な偶然により手に入れ、ジャガーの音盤のページを作ることができた。
インターネットの力はやはりすごいもので、その後少しずつだが確実に情報が集まり、状況が動き、ジャガーの話題を扱ったサイトもいくつか現われ、マスコミも動き出した。
そのうちジャガー本人もあちこちのジャガーサイトに現れ、活動復活をちらつかせていたが、ついに本人もサイトを立ち上げ、旧譜を発売し、テレビ番組を復活させ、新作CDを発売し、現在ではあちこちメディアに出没するようになった。

時は変改す。かつての沈黙が嘘のように、今はジャガーが活動する時代なのである。

BACK